全国風景ガイド : 日本の城

月山富田城

詳細情報

月山富田城跡:島根県安来市広瀬町富田
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 月山富田城(がっさんとだじょう)は、築城年・築城者不明の山城です。月山城、富田月山城と呼ばれることもあります。尼子氏の本拠地として知られています。
 12世紀半ば頃に藤原景清(平景清)によって築城された、との伝承が残っています。
 1221年の承久の乱で功績を挙げて出雲守護に任じられた佐々木義清(出雲源氏の祖)が入城し、後に義清の四男が富田義泰(出雲佐々木流富田氏の祖)を名乗って城主となっています。
 14世紀半ば以降、京極高氏(佐々木道誉)ら京極氏と山名時氏ら山名氏との争いの中で、富田氏は山名方に付いて城主の座を守っていましたが、1391年の明徳の乱(山名氏による室町幕府への反乱)で山名氏が衰退すると京極氏が出雲守護となり、守護代に任じられた尼子持久が1395年に入城して城主となりました。
 1484年には尼子経久(尼子持久の孫)が性急な勢力拡大への反発を受けて守護代を剥奪され城を追われたものの、1486年に奪還しています(後に守護代にも復帰)。
 1542年、郡山合戦(尼子晴久の毛利攻めにおける決戦)に勝利して周辺各国の国人衆の支持を得た大内義隆・毛利元就の連合軍が出雲に侵入し、翌年には月山富田城を攻撃しましたが、籠城する尼子軍に苦戦を強いられる中で国人衆の寝返りが続発、大損害を被りながらの撤退を余儀なくされ、特に元就は家臣の敢闘と犠牲のおかげで辛うじて逃れています(第一次月山富田城の戦い)。
 その後、大内氏を滅ぼして勢力を伸長させた毛利元就が1562年から出雲侵攻を開始すると、白鹿城などの支城を次々と落とされ、1565年に月山富田城は包囲されました。元就・吉川元春(元就の次男)・小早川隆景(元就の三男)らによる総攻撃こそ防ぎ切ったものの、その後の兵糧攻めで投降者が続出、約2年の籠城の末に降伏し、尼子義久(尼子晴久の嫡男)らが捕縛されて、尼子氏は事実上滅亡しました(第二次月山富田城の戦い)。
 しかし1568年、山中幸盛(鹿介)らの尼子氏残党は、尼子勝久(尼子義久のはとこ)を擁立し、翌年に毛利氏が北九州に出兵した隙を突いて出雲に侵攻しました。まず新山城を攻め落とすと、末次城(後に松江城が築かれる亀田山の山城)を再築し、ここを拠点として周囲の城を攻略、10以上の付城を築いて月山富田城を包囲し攻撃したものの、落とし切れませんでした。1570年には北九州から戻ってきた毛利氏が出雲へ出陣して尼子氏残党を破り(布部山の戦い)、補給を絶たれて落城寸前だった月山富田城は包囲から開放されました。
 1600年の関が原の戦いが終わり、吉川広家(吉川元春の三男)が東軍と内通していたにも関わらず戦後に転封されると、関が原で功績を挙げて出雲を与えられた堀尾吉晴・忠氏親子が入城しましたが、松江城の完成と堀尾氏の本拠移転に伴って廃城となりました。
 北の日本海までを一望する月山(吐月峰)の山頂から北に伸びる複数の尾根沿いに各曲輪を配した、連郭式の大規模な山城です。飯梨川や断崖、周囲の山々など、天然の要害に守られた堅城です。尼子経久の時代に拡張整備され、堀尾氏の時代に近世城郭へと改修されています。
 現在では登山道と自動車道が整備されており、石垣・虎口・井戸などが遺構として残っています。本丸跡には勝日高守神社(築城以前から所在すると伝わる)があり、周辺の各地には尼子氏の墓・堀尾吉晴の墓・山中鹿介の供養塔などが散在しています。


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